6年目を迎えます
2021年の10月をもちまして、おかげさまで当相談室は6年目を迎えます。
開室からこれまでの間、最寄りの護国寺や茗荷谷などにお住いの方をはじめ、当相談室の提携先であるクリニックやEAP機関等からご紹介いただいた方、インターネットで“ラカン派精神分析”と検索していらした方等々、男女を問わず小学生から70代の方まで、たくさんの方が来室して下さいました。あらためて深く感謝申し上げます。
5年が経ちましたが面接にかんする基本的な考えややり方はほとんど変わっていません。開室当初に“あなたのこころの声を聴きます”というキャッチフレーズを定めました。これは、相談なさる方自身が、それがどんなことであれこころに思っていることを話していくこと、それを聞き手(私)がしっかりと聴きとることがまずなにより大事であると考えその実行をお約束する、そのようなフレーズになります。当たり前のことのようにも思われることですが、聞き手がどのような人物で、どのような耳をもち、どのような姿勢で取り組んでいるかによって、相談する方の語る内容がかなり変わってくるものです。
またこれに関連したことがらになりますが、相談なさる方自身が、自分のことばや語りに耳を傾けたり、面接で得られたご自身にかんする発見に思いを巡らせたりすることも、やはりとても大切なことだと思っています。そのような考えから、ご自身のことばや発見を大事に家まで持って帰っていただきたく、面接が終わりましたら雑談などはせずにすぐに帰っていただくことを基本としています(もちろんケースバイケースではありますが)。なかには冷たいと感じる方もいらっしゃると思います。しかし、このことに限らずですが、それがいちばんその人にとってよいやり方だと思われる場合には、その最良と思われるものを提供していきたいと思っています。
5年間のあいだに変化した点としましては、開室当初よりお子様やお子様にかんする相談を大切に考えて対応して参りましたが、このたびあらたに心理検査を導入することに致しました。これは発達にかんする相談のなかでご要望が増えていることに対応するものです。そのほか、対面での面接には以前より慎重にならなければならない社会状況にあるため、オンラインを用いた面接もはじめております。感染症対策(手洗い、マスクの着用、ソーシャルディスタンスをとること、こまめな換気と消毒)も以前にはなかったことですが、徹底した実施を図るようになりました。
いまはまだコロナ禍にあり、先行きが不透明な中鬱々とした気持ちで日々を過ごしている方も多いと思います。少しでも当相談室がそのような方々のお役に立てるように、より一層の努力をして参りたいと思います。