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精神分析のプロセス(1)

ラカン派の分析の辿るプロセスの見取り図のようなものが欲しいと、ある人が言っていました。精神分析で実際にどんなふうに分析がなされるのか、なにが起こるのかは、外からは見えません。だから精神分析を始めるということは、精神科を受診する以上に、思い切りが必要で、とにかく敷居の高いものなのだということでした。確かにそうかも知れません。

 

ただ、精神分析のプロセスは、本当にひとそれぞれで、それを「こういうプロセスを辿る」と提示するのはとても難しいことです。100人いれば100通りのプロセスを辿るわけです。ふつうは悩み事が語られて、それにたいして専門家の「分析的」なアドバイスが何らかの形で与えられて、面接や分析は終了するのだろう・・と思われがちですが、そういうふうにものごとは進みません。

 

精神分析でただひとつ、分析主体(分析を受ける人のことを、分析主体とか、分析者と呼びます)に求められること、それは「自由連想」と言われているものです。これは頭に浮かんだことがらをすべて話す、という掟です。日常の世界では、むしろ頭に浮かんだことのすべては話さないように、私たちは教育されているものです。だから何か思いついても、道徳的でないとか、下らない、言ったら恥ずかしいと思ったら、それについて人には話さないようにしなければと考えることもよくあるでしょう。ですからこの自由連想法は、人によっては実行するのがたいへん難しいものと感じられる場合もあります。

 

しかし頭に浮かんだことをそのままそっくり言うことは、分析ではとにかく大切なことなのです。精神分析とはまさに、その人が思いついたことや、連想が連れて行くところに、進んでいくものです。なぜならそれは一見遠回りに見えても、その人がその時もっている問題の核心に到達するのに、いちばんよいやり方だからです。

 

ただ、自由連想が進むがままに分析は進む・・と説明してもやはり不十分で、もう少し知りたいと考えるのは自然なことだと思います。それで、いくつか精神分析のケースを、例としてあげてみようと思います。と言っても、個人情報の観点からありのままを報告することは不可能なので、これはいろいろな経験や資料などをもとにした、創作です。このようなフィクションとしてしか実際のところを紹介できないのは、性質上、しかたのないことです。それでもなるべく大事なエッセンスは伝えられるように、工夫しました。

 

コラム

精神分析の実際について

精神分析でじっさいどんなことが行われるのかについて、まだあまり知られていなくて、ブラックボックスのようなものだと、ある友人が言っていました。確かに精神分析を実際に経験した人自体まだ日本では少ないですし、分析の実際のところについてついて書いた人はもっと少ないと思います。

このブログではなるべく平易に、そこのところを説明してみようと思います。

順次記事を増やしていきます。記事の右側にキーワード等を置いておきます。好きなところから読んで下さい。

Aさんの場合 同一化

ミンナの症例()()()()() PTSDの症例、夢の解釈

ピエールの症例 ()()()     切迫、不安、自殺

母国語でない言葉で精神分析を受けること ()() 転移、主のシニフィアン

無意識の不気味さについて  無意識

 

よくある質問

よくある質問について

 

相談室でよく出る質問に、答える形で書きました。

また症例検討会で質問されるラカン派の用語についても、簡単な説明をしてみようと思います。

とくに順番はありません。興味のある箇所を読んで下さい。

精神医学と精神分析はどう違うのでしょうか

カウンセリングは初めてなので、何をしたらいいのか分かりません

カウンセリングや話すことには、どうして効果があると考えられるのでしょうか

どのくらいの頻度で面接に通えばよいのでしょうか

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